犬島製錬所跡
New Canonet QL17-Lというカメラがある。Newが付いているものの1970年発売。今年で37歳、ボクより年上のカメラである。某巨大カメラ店のジャンクコーナーに転がっていたのを発見し、引き取り、レストアし、復活を遂げた。
このカメラがまた異常にイイのである。まず、小さい。そして、適度な重みがある。焦点距離40mmという絶妙な画角。大口径F1.7レンズ。そして、この写りである。そう、犬島シリーズはNew Canonet QL17-Lで全て撮影したものである。
レンズシャッターならではのプチっという小さなシャッター音。首からぶら下げてもレトロでオシャレな雰囲気。サンポしながら街撮りするには持ってこいのカメラであり非常に重宝したものだ。一眼レフなんか持って商店街をウロウロしたら何事かと警戒される世の中なのである。
こういうレトロなカメラをデジカメに変えてしまうキットなんてものが発売されたとしたら、結構、盛り上がるんじゃないだろうかと思っている。パトローネの中に回路と電池を収め、カメラにセットして裏蓋を閉めるとパトローネの中から受光素子がにゅるっと出て来るのである。従来通り、ファインダーを通して構図を決め、撮ってもその場で画像を確認する機能はナシ。従って、カメラ自体を改造して液晶を付けるなんて作業は必要ない。撮影が終わると裏蓋を開け、パトローネ型デジカメキットを取り出し、パソコンに接続。うん、いい感じだ。レンズもカメラも必要ない、受光部と記録媒体と通信関連を整えればいいだけである。カメラをつくるノウハウなんて必要なく、電子部品メーカーが十分商品化することができるだろう。36mmフルサイズなら10万は出すよ。どう? 誰か作ってくんないかなぁ...。とは言っても、これボクのアイデアだからね。これ作った人は、ボクにはタダで下さいね(笑)。
従来、カメラはカメラであり、フィルムはフィルムだったわけである。デジカメという完成融合体である必要はなく、分離した状態である方がユーザの自由度は格段に飛躍する。昨日は真面目モードだったからFM2をデジカメにしたけど、今日はCanonetをデジカメにしてサンポしよう。みたいにね。そう、デジタルカメラでなく、「デジタルフィルム」であればいいわけである。ということは富士フィルムさんかな...。あそこはデジカメのノウハウも持っているし、何と言ってもフィルム界の大御所ですからね。
過去の偉大な産物を鉄くずにしてしまうような一方的収束的な開発でなく、時代が変わっても長く使い続け愛用し続けることができる、そんな開発をお願いしたいものである。