最近、こんなことばっかりやってます

[ Category : 雑記 ] 2010年11月15日 22:55
このサイトの更新もずいぶんのんびりしたものになっていますし、例の家庭学習支援の教材も作成がストップしています。言い訳がましいですが、かなり忙しいです。大学受験が既に始まりました。秋ごろから小論文の指導も本格的に始まり、その添削に1日のうちのかなりの時間を使っています…。

高校生の非常に有効的な塾活用法

ウチには、「ほとんど毎日、塾に入り浸って勉強している子」と「ほとんど塾に顔を出さない子」がいます。前者は「家で学習できない」から入り浸るわけであり、後者は「家で学習できる」からほとんど塾に来ないわけです。前者の子にとっては塾の必要性は高いでしょうが、後者の子は、塾をどのように活用するのがいいのでしょうか?

例として、とある子の通塾スタイルを公開したいと思います

  • 塾に来ると、自分の解らない問題や自分の書いた小論文を提出する
  • 次にその子が塾に来るまでの間に、ボクは彼の解らない問題の模範解答や小論文の添削をまとめておく
  • 数日後に塾に顔を出し、模範解答と添削を受け取って帰る
  • 塾が比較的暇な曜日を狙い撃ちして質問にやって来る

これ、ものすごく効率がいい塾の活用法だと思いませんか?

塾に通う回数は最低限に留め、最大限の効果を出す工夫をしていると、非常に感心しています。そして、これがボクの理想とする塾のスタイルでもあります。小学生や、中学にあがりたての生徒にとっては、この勉強法は難しいでしょうが、中学2〜3年生や高校生にはとても効果のある学習法だと言えます。もちろん、家庭学習ができることが大前提ですが…。

まぁ、このことに関しては、また次の機会にまとめて書きたいと思います。今回は、いまボクが毎日追われている小論文の添削について、少し書きたいと思います。

どういう添削をしているのか?

小論文の添削の方法は、担当する先生によって異なるでしょうが、ボクの場合は「書いてきた原稿用紙には全くといっていいほど赤を入れない」です。そのかわり、A4用紙1枚程度にびっしり要点をまとめて渡すようにしています。小論文は感想文とは違い、お題に対して感じたことを書いても意味がありませんし、そこに感情を込めるなんて行為は無意味1)です。いかに理論的な文章を書けるかを問われているわけで、それには、しっかりと「テーマにそって思考する」ことが必要になります。思考するためには…。情報が必要ですよね。

そういうわけで、情報を交え、出題のポイントを指摘し、理論的な思考回路を刻み込むことを意識しながらヒントとして資料を渡しています。

例えば、「日米間で原爆に関して価値観が違うが、どうすればよいだろうか?」といった出題に対し、次のように資料を作成してみました。

資料の例

 日米両国、そして、世界中の国々にとって必要なことは「戦争を繰り返さないこと」だろう。そして、戦後既に半世紀以上が過ぎ去った今日において、「あの時どちらが正義でどちらが悪だったのか」を蒸し返すことにはさほど意義は感じられない。そうではなく、日米両国がしないといけないことは、事実を事実として受け止めることであるはずだ。

 どんな物事にも側面が存在し、置かれた立場や生い立ちが異なる者同士が同じ事象を見たとしても、その見え方が完全に一致することはあり得ない。そして、どちらの見え方も事実であるはずだ。赤色から高性能のスポーツカーを連想する人もいれば、血を連想する人もいるように、原爆という兵器に平和の象徴を重ねて見る人もいれば、悲惨な光景を思い出す人もいる。これは当たり前のことであって、何も驚くべきことでも悲しむべきことでもない。だからこそ必要なものは「自分の価値観があらゆる人に共通する絶対的価値観ではない」という謙虚な姿勢と、「相手にとっての価値観はいかなるものか」という、他者に対して理解を示す姿勢に他ならない。様々な国があり、様々な文化があり、様々な価値観がある現代の国際社会において、この「他者理解」を示す行動は極めて重要である。すなわち、今回の出題のテーマは「他者理解」だと考えて良い(国際社会・国際問題に関する出題は、かなりの確率で他者理解というキーワードに結びつけて書くことができる)。

 繰り返し言うが「是非は問わず」が適切な方法だと思う。日本にとって必要なのは「当時のアメリカの状況と、そこから今日までのアメリカの歴史」を知ろうとする努力であり、アメリカにとって逆もまた然りである。以前にも似たようなことを書いた記憶があるが、「知る」ことは「理解する」ための必要条件であり、「知る」ことなく「理解する」ことはできないのである。しかしながら、サイコロの1の面しか見たことがない人にとって、サイコロとはいかなるものかを理解することは不可能だろう。そして、「オレが見たサイコロには点が6つ書いてあった」と言い張る人物のことを嘘つき呼ばわりするかもしれない。「理解」とは、ある一面を知ることで促される精神活動ではない。様々な角度から見た場合に見え方が異なるということまで知ってはじめて理解したことになるのは言うまでもない。すなわち、原爆という兵器あるいは太平洋戦争について多角的・多面的に知る必要があるのではないだろうか。そして、そのためには、都合の善し悪しという自国の体裁を気にすることなく全てをさらけ出す勇気が必要だろう。それには、日本にとっては「アジア侵略」でありアメリカにとっては「原爆の悲惨さ」が含まれているのだろう。

 エノラ・ゲイの展示の縮小は、「中止にならなかった」点においては評価しても良いだろうし、「縮小された」点においては失敗だったという判断を下しても良い。これは、サイコロのどの面を見据えて論文を書き出すかという自分の立ち位置を定めるだけであり、後にきちんと展開図を書きさえすればどちらの面であっても減点されることはない。いずれにせよ、この『評価』という部分を書かないことには論文としては成立しない(残念ながら、この点が明記されていない)。次に、『具体的な提案』については、確かに「第三者に間に入ってもらう」方法も考えられるが、これは「仲裁」という意味合いが入らないように但し書きをしておくと良いだろう。第三者が介入するケースは、どうしても喧嘩の後の仲直りを思い描きがちである。必要なのは、「善し悪し」でも「仲直り」でもなく、「未来につなげる」ことであるはずだ。「原爆観に横たわる大きな溝を埋める」とは、「原爆とはこういうものだ」という1つの共通概念を見いだすことではなく(前述の通り、そういうものは存在しない)、「自分の価値観を相手に伝え、相手の価値観を肌で感じ、そこから先は実際にやってみないと見えてこない」ことではないだろうか。すなわち、「誰かが勝手に埋めてくれるもの」ではなく「自分が埋めようとしてみる」必要があり、そもそも、「その溝は自分の中にある」のである。

生徒が書いた小論文を実際に公開することは無理2)なので、どうしても伝わらない点があるとは思いますが、こういう感じで「生徒が書いた小論文に対して方向修正のアドバイス」をしつつ、同時に「実践で使えるように論文調に書く」よう、努力しています。論文に対し、論文で返事をする。なんか反歌みたいですね(笑)。

また、ボクは比喩が個人的に好きなので、たとえ話は率先して書くようにしています。案外、こういうたとえ話は小論文の中でも使える技になると思っています。

以上、こういう日々です…という言い訳でした(ブログはさておき、教材は少し余裕ができれば再開します)

Discussion

1) というより減点対象
2) 入試が終わってしまえばOKをくれるかもしれませんね

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