流通量がかなり多いタイプのようです。YAMAHAのアップライトピアノの中でもわりと背の高い方で、そのため、弦が長く、なかなか良い音がするらしいです。年代物で、どうしてもピカピカというわけにはいかないですが、ハンマーが木製(今のピアノは、結構、プラスチック製が多いらしい)であり、鳴りも良いらしいです。
ピアノの中に保存されていた「調律検査カード」によると、いちばん始めに調律されたのが昭和52年になっていました。恐らく、その年に生まれたピアノなのでしょう。33年も動き続けているんですね。ちょっと感動です。
ハンマーが弦を叩かないようにピアノ内部を加工し、代わりに、そのハンマーの動き(なのか、鍵盤の動きなのか判りませんが)をセンサーで感知し、電子信号に変え、サンプリング音源を鳴らすという仕組みの消音ユニットを後付けで取り付けていて、「夜中でも弾ける」とのことでしたが、残念ながら夜中は無理なようです。
この消音ユニットは、レバー操作で「生音(通常のピアノ)」と「電子音(消音)」とを切り替えられるハイブリッド仕様で、なかなかよくできているようです。ただ、ピアノそのものの音は完全に消音されますが、やはりピアノは打楽器。いかに消音しようと、メカニカルに動く内部の構造は取り去れないわけで、そういう稼働音(これを打鍵音というらしい)が結構な音量で鳴るわけです。しかも、そういう打鍵音も、ちゃんとピアノ本体で共鳴するんですね…。ラバー製のドラム練習パッドをテーブルに置いて、スティックで叩く程度の音量です。間違いなく、夜中にやると苦情が来るハズです。
搬送でずいぶん音が狂ったようで、とても気持ち悪い音がします…。近々、調律と、鍵盤の調整をお願いしようと思っています。
記録によると、このピアノはA音を442Hzにチューニングすることが多かったようです。子どもの頃は、調律した直後に、突然、ピッチが数Hz上がるのがものすごく気持ち悪かったんですが、さてさて、今はそんなこともないでしょうね。絶対音感は既に半音ほど狂ってますし…。