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Blikiについて考える

[ Category : Bliki ] 2010年01月21日 19:39
 Blogのように簡単に更新でき、Wikiのように整理しやすいBliki。魅力が多いわりになぜ流行らないのかを考えてみました。

Blikiの利点

1. 気軽に投稿できる

 Blogの最たる長所は「投稿するのに気合いがいらない」ことです。ふと思いついたことや、身の回りのことなど、日記感覚で記事を投稿することができます。また、そうして投稿された記事は自動的に時系列に並べられてサイト上に表示されます。サイトの設定さえしてしまえば、その後は記事の内容だけ考えておけばサイトの運営ができてしまうためとてもハードルが低く、WEBの知識はほとんど必要なくても問題ありません。Blikiも、Blogと同様、ふと思いついたことや身の回りのできごとなどを日記感覚で記事として投稿することができますが、投稿した後で加筆修正がしやすいというWikiの強みが加わります。思いついたときにメモ代わりに投稿しておき、後に、じっくりと練り直すという作業ができることになります。

2. 加筆・修正が利く

 Blogは、いちど投稿した記事を後日修正したり加筆したりすることはありません。追加したくなったときは、一般的に「新しい記事」として続きを投稿するケースが多いと思います。そのため、どうしても記事がまとまりにくく、訪問者が参照し辛いケースが生じてしまいます。それに対し、Blikiは投稿後に加筆・修正するという使い方が可能ですので、1つの記事が、時間とともに濃く深く発展することになります。

3. 記事間の連携が強くなる

 Wikiは、もともと文章を入力しやすく、そして、入力された文章を参照しやすくチューニングされています。文章から別の文章へのリンクや、文章のカテゴライズなど、記事の整理もしやすいのが特徴です。Blikiは、こうしたWikiの強みを持っていますので、記事と記事との縦横のつながりがBlog以上に強く、古い記事が埋もれてしまうことも少なくなるでしょう。

4. 共同執筆ができる

 もともとWikiは「共同執筆がしやすい」という利点があります。この「共同執筆」ということばは、普段、個人サイトを運営する上であまり魅力的に響かないものです。しかし、次のようなことを考えてみてください。共同執筆というものの効率の良さがお解り頂けると思います。

 あなたがある事柄に興味を持ち、調べた結果をブログの記事としてまとめあげたとします。しかし、時間とともにその記事が古い情報になってしまうことはよくあると思います。そして、投稿した当時は興味のあった内容だったのに、今となっては修正するまでの熱意はなくなってしまった…なんてことも、意外とよくあることです。こうして、インターネット上には「古くてそのままでは使えないが、ちょっと手を加えたら生きた情報になり得る残骸」が次々と止めどなく生まれていくわけです。そのようなページを、もし、誰でも修正できたとしたら…。なにも引用したりはじめから書き直したりすることなしに、少ない労力で情報を再利用できるわけです。これが、Blikiの最も効果的な「共同執筆」の姿だと思います。

なぜBlikiは流行らないのか?

1. Wikiへの抵抗感

 日本では、Blogに比べてWikiは馴染みがなく、Wikiを導入する人が極端に少ないという現状があります。Blogを使った経験があり、またWikiの便利さも知ってはじめて、両者を融合させたいという意識が生まれるはずですから、Blikiが流行らないのは当然だと言えます。

2. CMSの少なさ

 やってみたくても、導入が簡単なCMSがなければ始められません。当サイトはMovableTypeとDokuWikiとを組み合わせてBliki環境を構築していますが、誰でも手軽に始められるシステムだとはとうてい言えないでしょう。Blikiに興味がある人が気軽に試せるようなCMSが必要だと思います。

3. 共同執筆という言葉の誤解

 「個人サイトだから共同執筆なんて必要ない」という認識の人が多いと思います。実際その通りですし、ウチも個人サイトですので投稿するのはボク1人という状態です。しかし、ブログを運営していると、前述の通り、投稿した本人でさえも存在を忘れてしまうような古い投稿を検索して参照する人がけっこういるわけです。そして、たいていの場合において、そういう情報は既に古く、修正や加筆が必要である場合が多いわけです。自分以外の人に編集権限を与えておくことは、こういう場合に「気が向いたら編集し直してもらえる」可能性を残すことになり、有効ではないかと思います。

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